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株価高騰の決済サービス、スクエア(NYSE:SQ)凄さとは何か

スクエアとは、Twitterの創業者ジャック・ドーシーが立ち上げたアメリカ発のカード決済サービスです。

第3四半期の決算を受けて一時高騰した為、最近の米国株売買代金(SBI証券)のトップ5にスクエアが名を連ねています。

スクエアの決算書では売上にスターバックスがある程で、昨年同四半期では売上の6%を占めていた大口顧客でしたが、提携解消により売上は0になりました。 それでも決算が好調のため期待の買いが入ったということでしょうか。

高騰時は50ドル近くまで上がってから少し下がりましたが、それでも現時点での株価は年始から2.5倍にもなります。

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日本でのライバルは楽天

小規模事業者向けの決済といえば、今のところ一番よく見かけるのは楽天ペイです。電卓のようなカードリーダーに楽天のロゴが付いているのでよく目立ちます。 smartpay.rakuten.co.jp

利用料金はどちらも3%台のカード決済手数料のみで導入することにより、無料のPOSレジソフトも利用できるようです。 便利なツールを提供することで長期的にカード決済の手数料を頂こうというビジネスモデルは共通しています。

スクエアの優位性

どちらも同じくカード決済を提供しているサービスですが、現時点での決済手数料と取扱銘柄では電子マネーなども豊富に扱っている楽天ペイが勝っています。更には日本において楽天知名度は抜群なのでスクエアにとっては不利な市場であるはずです。

しかし、ビジネスモデルとしてはスクエアに優位性を感じています。

何故かと言うと、スクエアは決済から店舗運営までを総括管理するサービスを提供しているからです。

楽天ペイとの違いは決済だけではなく売上管理、従業員管理、店舗管理、請求書代行など、小規模事業者が少人数で高パフォーマンスな経営が行えるようにしているのです。

カードリーダーによる決済サービスというのは過去Paypalが撤退していますし、ウェブ決済でもWebPayがサービス終了するなどシンプルな様で非常に難度の高い事業だという事を窺い知ることが出来ます。

そこでスクエアは決済というサービスを広く捉えて、顧客育てようとしています。

また、ツール郡の提供に加えて融資事業の「スクエアキャピタル」の存在も大きいです。

これはスクエアを導入済みの事業者に対して融資を行うサービスですが、キャッシュフローを把握している事業者に対して幾ら貸し付けるかを判定し、スクエアでの決済売上から回収するという事なので非常に回収率が高く、顧客にとっても返済ストレスが軽減されるような融資となりそうです。規模は3億ドルにまで達しているようです。

これまでに挙げた事から分かるのは、スクエアという会社は単に決済のサービスを提供するのではなく、導入した顧客の事業規模そのものを拡大させてスクエアも一緒に成長する事を狙っているのだろうという事です。

恐らくは楽天というのは営業力がとても強い会社なので売上目標に対するKPIは導入店舗数だと思いますが、この辺の考え方はどちらが正しいという物では無いので、全国的に導入が進む事によってキャッシュレス文化が推進される事に期待しています。

黒字化も近そうなスクエア株は、これから更に人気が出てきそうですね。

そして、その土台となる決済技術セクターはスクエアが成長する事によって恩恵を受ける立場であり、あわせて投資価値が向上していくのではないでしょうか。