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この先PayPayは生き残るのか

PayPayの100億円あげちゃうキャンペーンは終わりましたが、一気に認知度が上がったスマホQRコード決済について考えてみました。

中国国内では普及率がほぼ100%のQR決済ですが何がメリットなのでしょうか。

中国ではなぜクレカよりQRコードなのか?

まずは偽札の流通などで現金への信頼度が高くないという前提があるようですが、クレジットカードと比べてQR決済が普及した理由については、導入者と利用者に相互メリットがあったからです。

まず日本においてはクレカを導入しない理由の1位は手数料が高いらしいですが、手数料に関しては恐らく中国でも同様の理由が上位に有ることは間違いありまん。

news.cardmics.com

中国ではAlipayやWeChatPayといったQR決済サービスが圧倒的シェアのようですが、Alipayでは受取額が少額なら手数料がゼロという仕組みのようです。 先に挙げたように中国では偽札不安があるため、出来れば現金を使いたくないと考える人が多いはずです。

そこで無料の範囲内で利用できる小規模な個人店や個人間のやりとりで普及し始めたのではないでしょうか。 手数料がネックになってカード決済を敬遠してきた層を取り込んだ事でQR決済の普及率が上がったというのは自然な流れのようにみえます。

また、QR決済用口座の残高に年利がつくシステムにすることで、頻繁に利用するユーザにとってはわざわざ引き出すメリットもなく、実質銀行のように使用している人たちも多いのではと推測できます。

日本への導入について

キャッシュレスが便利である以上、手数料などの導入障壁がなければ普及していくのは当然の事だと考えれますが、現在日本で展開されているサービスが流行るのかについては気になる点があります。

まず1つ目はセキュリティ問題です。

下記はPayPayの利用規約の一部(第6条 (免責事項)の4)ですが 、盗難や不正利用については利用者側に課す責任がカードより厳しいという印象を受けました。

  1. 利用者は、利用端末の紛失、盗難に備え、あらかじめ遠隔操作による利用端末のロック、利用端末のデータの消去など利用端末が提供する遠隔操作による利用端末を利用させないための措置(以下「利用端末のロック等」といいます。)に必要な設定を行うものとします。利用者は、利用端末の紛失、盗難その他利用端末が不正に利用される可能性が生じた場合、直ちに、当社にその旨を連絡するとともに、本サービスを第三者に利用されないための措置として、利用端末のロック等および当社が PayPayのウェブサイトに公表する措置をとるものとします。携帯電話事業者への連絡および通信回線の利用停止を行うだけでは本サービスの第三者による利用を防ぐことができませんので、利用者は、必ず本項に従った対応を行ってください。また、利用者がこれらに反することに起因し生じた損害は、利用者の負担とし、当社は、その責任を負わないものとします。

(太字部分は私がマーキングしています)

PayPayについては遠隔操作によるロックやデータ削除の設定を利用者に課しており、スマホ製造メーカーや通信事業者の機能やプランに強く依存する規約になっています。

クレジットカードの場合は、事前にカードの裏面に署名しておく事で有事の際は警察やカード会社への連絡をしっかり行う事により損害が発生しような仕組みが整備されおり、非常にシンプルで誰でも実践できるルールになっています。

また、カード会社はネット等での不正利用監視を行っています。 私自身も以前にネット通販で不正購入された事がありますが、私が気づく前にカード会社から確認の電話がきて取り消しをしてもらった事があります。 PayPayだけでなく、大手のQR決済業者はこのような監視体制や、不正に気付かず決済されてしまうような事案への対応は整備されているのかが非常に気になります。

2つ目は利便性です。

PayPayを利用するための入金手段として銀行口座振込やカード等が選択できるようですが、ここでカードによる入金をした場合、カード→PayPay→お店で購入 という決済フローになってしまいクレカ購入と比べて二度手間です。

カードのポイントもその分貯まるのでメリットも一応あるのですが、キャッシュレス派の方たちはお得感だけでなく利便性を重視されている方が多いはずなのでメリットとしては弱いのではないでしょうか。

特に残念なのは、3万円以上利用する際に本人確認書類を提示するルールがあり、3万円を超える決済の場合は下手すると現金より手間なのではないかと思ってしまいました。 そういった意味で、カードの利便性に対抗できてないように感じます。

www.paypay-corp.co.jp

中国の例として挙げたように、普及させるためには、事業者だけではなく利用者も含めた相互メリットが欲しいところです。

今の所は一部ポイント還元等をメリットとしてはあげていますが、大半の利用者は決済金額も高く無いと思うのでカードと使い分ける程の決定的な理由としては弱いです。

今後クレカに勝る価値が提供されれば利用することになるとは思いますが、現時点ではまだ私個人の導入は時期尚早かなという印象です。

QR決済は大手がこぞって参入していきているアツイ分野ですが、決済という枠は非常に難易度も高く、競争も激しい産業でもあると思います。

これから新しいカタチのサービスが生まれてくることも期待できますし、競争の中でどの事業者が残るかはわかりません。

それでも確実に言えるのは、あらゆるお金のやりとりがキャッシュレス化していくという事です。

ハンバーガー業界に見る外食産業の厳しい戦い

少し前までは、大赤字で大量の店舗閉鎖が進み負のオーラに包まれていた日本マクドナルドですが、気がつけば黒字転換で都内では行列すら見かけるようになりました。

マクドナルドといえば、20年くらい前にはハンバーガーを60円で投げ売りしていた記憶があり、安い速いというイメージが強く定着していましたが、近年は注文を受けてから作るようになったり、1000円もするようなハンバーガーに挑戦したりと、最大手でありながら時代に即した施策を次々と打ちだしている印象があります。しかし、それと同時に根本から変化し続けている状態なのでファストフードとして方向性が安定しているとは言えない状況でもあります。

2番手のモスバーガーやフレッシュネスは、代わり映えする事もなく、以前ほどの勢いは無いため店舗数が増えているようにも見えません。

実際調べてみると、モスバーガーは国内は継続的に店舗閉鎖が行われていますし、フレッシュネスは店舗検索では現在170店舗出てきますが、2013年に170店舗達成と書かれているので一進一退の横ばいなのでしょうか。頻繁に身売りされているので業績好調では無さそうです。
(株)フレッシュネス|企業情報
店舗数の推移 | 財務・実績 | モスフードサービス企業サイト

ハンバーガー業界の変化

この10年ほどで、ハンバーガーひとつが1000円を越すような高価格帯かつ、内装に凝ったローカル店が増えてきました。

外食業界全体でチェーン店よりも個人店が好まれる様な傾向も出てきたことも、そういった店が増えた大きな要因になっていると思いますが、大手チェーン店は高級路線を求める客層が個人店に流れたことで、客単価の低下に繋がってしまい、苦戦を強いられていると考えられます。

更には最低賃金の底上げやインフレによって固定費が上がり経費はかさむ一方なので不採算店舗を閉鎖する事になりますが、結果的に大手としてのブランド力の低下にも繋がりかねないわけです。 そんな状況下で勝っているライバルもいない為、業界総低迷といった状況です。

なにより一番辛いのはターゲットである若年層の人口減が激しく、売る相手すら居なくなってきている事です。

不可抗力

外食産業が最も影響を受けるのは、トレンドの変化です。

最近では、年々強まる健康志向やカフェ風、インスタ映えといった雰囲気や見た目の流行も次々と変わり、それらを取り入れた新規店が続々と立ち上がっては既存店の客を奪っていきます。 トレンドが大きく変化する時期には、安定的な人気を誇る大手チェーンも業績悪化は避けられない場合があります。

しかし、流行り過ぎると飽きられやすくなる諸刃の剣もあります。

人気が出ると直ぐにでも洗練されたライバルが現れてお客をさらおうとします。負ければあっという間に下降線を辿る事になるため、勝っても負けても傷だらけです。 安定感のあるチェーン店は体力があるため短期決戦では生き残りやすいというのが大きな強みです。

最近ではペッパーフードの いきなり!ステーキ が流行り一気に店舗数が拡大し、株価も鰻登りでした。

しかし、これから洗練された後発店や、個人店が増え始めたり海外のステーキチェーンが上陸するなどしてあっという間にライバルに囲まれ、ハンバーガー業界と同じような道を辿るのではないかと思います。

外食セクター

産業として見た場合は以下の特徴があります。

  • 参入障壁が低い

  • 流行の影響を受けやすい

  • 海外展開が困難

流行に影響を受けやすいため一気に拡大するチャンスこそありますが、人気を継続させる事が難しく、文化的な壁があるため国内以上の規模で海外に展開する事はとても難しいのではないでしょうか。

そして国内の人口増減や景気動向の影響をモロに受けてしまうので、不安定要素の塊に感じられます。

それでも、もし飲食を投資先として考える場合、飲食でありながら食のトレンドの影響を受けにくい銘柄である事が望ましいです。

結局は一つの国の流行に左右されない世界展開済みの企業を選ぶことが安全策であり、米マクドナルドやスターバックスといった規模になるまでは手を出すべきではなさそうです。

上場後初の通期決算を出したマネーフォワード社をチェック

家計簿アプリでお馴染みのマネーフォワード社(以下、MF社)が通期決算を発表しました。

2017年11月期 通期決算説明資料

すべての人の、「お金のプラットフォーム」になる はMF社が掲げるミッションです。 この世界観を実現する為にどのような活動をしてきたのか振り返ってみます。

事業展開

企業買収

紙の領収書などをデータ化する為のサービス「STREAMED」を提供している株式会社クラビスの買収がありました。

MFクラウドの営業を行っていく上で、最も重要なのは大人数を抱える企業に利用してもらう事です。

利用人数による従量課金システムでは、大企業を取り込む事で安定的に高額の収益を生み出す事ができますが、導入のハードルは高く、他社とのコンペに勝つためには強力な武器が必要になります。

創業からの年数が浅い企業はMFクラウドのようなサービスを利用する傾向にあるため、恐らく売りやすいのではないかと推測しますが、大人数を抱える企業では、運用を変える為に社員への周知という大きな教育コストが掛かるので腰が重くなりがちです。

そこで、紙の領収書でも簡単に記帳できるから今までよりも楽ですよという営業が出来るようになればとても心強い訳です。

「STREAMED」をMFクラウドと連携させる事で、「紙ベースの運用は変えないけどクラウド移行したい」という顧客のニーズに応えられるようになるので、MFクラウドの成長は更に加速していくのでしょう。

そんな今後の肝になりえるサービスを持つクラビス社は買収当時、直近の通期売上が1億円で2500万円の赤字という財政状況でした。 そして買収金額は8億円です。

一部では売上1億の赤字企業を8億で買ったと揶揄されているようですが、これから伸びる産業のBtoBサービスで既に黒字化が見えている段階という軌道に乗ったタイミングでの買収だったように見えます。

今回の決算資料(バランスシート)には、3Q決算時に無かった「のれん」に8億円弱が新たに記載されていますので、買収段階でのクラビス社は会計上の価値は低かったようです。

しかしMF社のサービスには既にレシートの読み取り機能がありその精度も悪くないのでは?という疑問がありましたが、その点について買収時のIR資料にて言及されていました。

現時点のアナログデータの取り込み技術について「一部機能を提供しているものの早さ、正確性、使いやすさは不十分」と述べられています。

おそらく、正確性に加えて対応できる証憑書類の幅があるのはMFクラウドにとって今後のセールスポイントになるという事なのでしょう。

となれば、もし今回の買収がライバル企業に先を越された場合、MFクラウドの成長鈍化懸念が発生していた可能性があり、株主からはアナログデータの取り込みを強化するように指摘される可能性が高かったのではないかと思います。

8億円という買収価格は、全株式取得という事なので、創業期の投資家が納得するラインに加えて他社の先を行くための価値なのだと思います。

MF KESSAI

前期に新たに設立した子会社で請求代行サービスをやっています。

この辺りはサービスとして他社との差別化が難しい領域だと思うので、MF社としての知名度が高まれば自然と伸びるのではないかという印象です。

現時点ではネットプロテクションズやラクーンが先を行ってるのではないでしょうか。

BtoB・企業間後払い決済|請求代行なら「NP掛け払い」

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決算内容

「マネーフォワード」と「MFクラウド」といった主力は売上がほぼ倍増となった為、売上高の伸びは順調です。

3Q決算時には26億8千万円という着地予想でしたが、最終的な着地は28億9千万円と短期間で予想を上回る結果でした。

MFクラウドシリーズを横展開で充実させた事で、既存運用を行っている企業を上手く移行させられているという事なのでしょうか。

f:id:koguret:20180121171132p:plain 出典:2017年11月期 通期決算説明資料

マネーフォワードのビジネスモデルとしては、現時点では「プレミアム課金」、「広告」、「BtoBtoC(「マネーフォワード for ◯◯」といった金融機関向けのアプリ提供)」の3つで、ほぼ均等な売上比率となっています。

今回の発表によると、利用者数600万人突破に対して、プレミアムプラン利用者数は12万人のようですが、アクティブな利用者数が600万人よりも少ないと仮定すると3%〜5%近い課金率なのではないかと思います。

ただし、個人的には現時点のプレミアムプランを継続的に利用するメリットはあまり大きいとは言えません。 アマゾンプライムの課金率については16%というデータもありますので、もっと魅力的な機能が提供される事で課金率向上の余地は残っているはずですが、人口からして課金収入自体は大幅に伸びるかどうかは疑問が残ります。 netshop.impress.co.jp

今後は金融機関との提携アプリによるBtoBtoCの売上比率が大きく伸びそうな事と、最近立ち上げた実店舗「mirai talkとの連携によるファイナンシャルプランナーのようなビジネスモデルを見込んでいるのかなと予想しています。

投資妙味

財務基盤を強固にした一年だったので、現時点では負債総額のほぼ倍となる現預金がありますが、現金の使用用途がよくわからないため、今期はどのように活用していくのかを見る年となります。

今のところ赤字が続いているとは言え、実はもう既に黒字化が可能な域には達していそうです。 しかし、更なる拡大を目指すためには現時点で急いで黒字転換する事を目標にはしていないと思われます。

したがって、配当が出るような事は向こう数年無さそうですが、売上増による企業価値の上昇は継続していく可能性は高いと思います。

事業への積極的投資がこのまま続くとすれば、この先1・2年の間に新たな軸となる事業が立ち上がってくると思いますので、投資先としては後2年ほど見てから検討しても遅くないと思っています。

ライザップ株の売却を行いました

1月11日にライザップグループの保有株式を全て売却しました。

ライザップの強み

私が銘柄を検討する際には、財務以外にも経営理念やブランド力といった要素をとても重視しています。

ブランド力が強い場合、「ある商品」について考えた時にその企業の製品が最初に頭に浮かぶ傾向にあり、同業他社と比べて圧倒的な競争力、優位性、信頼性を持っています。

例えば「ネットの検索ならGoogle」、「チキンならケンタッキー」、「アイスならハーゲンダッツ」といったものです。

このような企業は各商品カテゴリーにつき1社または2社程度しかない為、他製品に比べて注目度が抜群に高く、価格競争面でもかなり優位に立っています。

このブランド力という観点で見ると、最近のライザップというのは「ダイエット」や「肉体改造」というカテゴリーにおいて代名詞の様な存在になったと思ったのです。

なぜ売ったのか

時価総額が大きくなりすぎた

グループ全体が順調という事に加えて人気株として明らかな過大評価になってしまい、今後目標としていた時価総額まで到達してしまった為です。

最高株価は11月24日の3090円ですが、この時のPERは98倍です。

時価総額は8000億円弱にもなり、今日時点の日本通運やローソンよりも高く明らかに異常な価格でした。

最高値を記録した後はじわじわと下げてきて現在は2000円前後で推移していますが、期待値を込めても当初1年以上先の目標とすべき株価に達していると判断しました。

経営理念

「人は変われる。」を証明する

これはグループの理念であり、ライザップを始めとする自己投資の為のサービスでNo1になるというビジョンも掲げています。

しかし現状としては様々な業種を抱える大型グループであり、すべてがそのビジョンに沿ったビジネスという訳ではないのではないかという疑問が出ててしまいました。

更にはIFRS会計よって、断続的な企業買収で発生している のれん費 が減価償却されず、他社と比べて営業利益がよく見えすぎているという点も気になりました。

グループ全体で見た時には、株価が上昇していても先行きを不安視してしまう存在となってしまったのです。

今後

ライザップに関しては、ダイエットや肉体に関する考え方を変えてくれる、正しい方法を浸透させてくれるという期待感が大きくまだまだ成長過程にはあると思います。

最高値を付けてから1ヶ月半ほどの間、今後保有し続けるべきか悩みました。

保有銘柄が明らかに過大評価な価格になってしまった時に素直に売却するべきなのかどうか、実はまだ判断がつきません。

今回の売却益は1年後の確定申告までは実質的に所得税が猶予されていますので、明日の精算を持ってそのまま再投資に充てるつもりです。

バブル期と重なる狂相場 ビットコインは何故上がるのか?

チキンレースも終盤に差し掛かった感

相変わらず盛り上がっている仮想通貨界隈ですが、そろそろ終わりの時が近づいているようで気になって仕方がありません。

一度も売買したことがない仮想通貨の相場を眺めてしまうほどです。

というのも、最近の大暴落を受けていよいよバブルが弾けそうだなどと思ったわけではありません。

過去何度も暴騰暴落を繰り返してきたので今更上がったり下がったりした所でどうとも思いません。

今年は春頃から順調に上げ始めて夏の高騰や、中国規制がかかって下落した9月頃、その後の大暴騰など一年通して仮想通貨界隈はかなり賑わっていたと思います。

仮想通貨界隈に変化

そんな仮想通貨を取り巻く環境も、近頃になってかなり様子が変わってきました。

11月頃から年末にかけて、これまで一度もビットコインの話をしなかった人達が日常会話で話題に上げるようになってきたのです。

これは友人との会話だけではなく、職場での会話にまで登場し始めたと思えば、遂には各所の忘年会で立て続けに仮想通貨で儲かった話まで聞いてしまいました。

そして、誰かがビットコインなどの話を始めると周りに1人、2人と実は自分も持ってるという人間が現れるのです。 中でも一番驚いたのは、ある時に会話していた4人の内、私を除く3人が保有者であった事です。

ところが、私は仮想通貨が何故こんなにも高騰するのか、その仕組みがどうにも理解出来ていません。

それについて聞いてみると、皆が皆、わからないと言うのです。上がり続けているからという理由で買っているそうなのです。

中にはブロックチェーンの良さを解説する人も居るのですが、ブロックチェーンはあくまでテクノロジーであって、仮想通貨が上がる理屈とはイコールではないと思っています。その理屈が通るのであればビットコインより後発通貨の方が品種改良されてデメリットを補えているとするなら既に時価総額を追い越しているはずです。

となれば、やはり人気が人気を呼んでいるだけのようにも見える訳です。

歴史は繰り返すのか

こうして、よくわからないけど保持している人たちも相場の先行きについては口を揃えて「来年はもっと上がる、下がっても盛り返すから持っておくだけでいい」と言うのです。

好景気に沸く株式市場ですら、来年の見通しは二転三転しながら結局のところ何があるかなんて分からない訳です。

それでも仮想通貨界隈では、絶対に上がると信じる人達の心理は、圧倒的な上昇気流で勝ちを純粋に信じた30年前のバブル景気のようです。

バブル当時に働き盛りだった人たちは、住宅価格が毎日のように上がり続けるのを見て今買わないともう買えないかもしれないと思ったそうです。

買ったばかりの不動産を転売したらもう何百万の利益が出たとか、買った株がみるみる上がっていったとか。

きっと、そんな成功体験を話す友人や同僚が世に溢れていた時代が、新しい形で再来しているのかもしれません。

株価高騰の決済サービス、スクエア(NYSE:SQ)凄さとは何か

スクエアとは、Twitterの創業者ジャック・ドーシーが立ち上げたアメリカ発のカード決済サービスです。

第3四半期の決算を受けて一時高騰した為、最近の米国株売買代金(SBI証券)のトップ5にスクエアが名を連ねています。

スクエアの決算書では売上にスターバックスがある程で、昨年同四半期では売上の6%を占めていた大口顧客でしたが、提携解消により売上は0になりました。 それでも決算が好調のため期待の買いが入ったということでしょうか。

高騰時は50ドル近くまで上がってから少し下がりましたが、それでも現時点での株価は年始から2.5倍にもなります。

f:id:koguret:20171211224008p:plain nyse:sq - Google 検索

日本でのライバルは楽天

小規模事業者向けの決済といえば、今のところ一番よく見かけるのは楽天ペイです。電卓のようなカードリーダーに楽天のロゴが付いているのでよく目立ちます。 smartpay.rakuten.co.jp

利用料金はどちらも3%台のカード決済手数料のみで導入することにより、無料のPOSレジソフトも利用できるようです。 便利なツールを提供することで長期的にカード決済の手数料を頂こうというビジネスモデルは共通しています。

スクエアの優位性

どちらも同じくカード決済を提供しているサービスですが、現時点での決済手数料と取扱銘柄では電子マネーなども豊富に扱っている楽天ペイが勝っています。更には日本において楽天知名度は抜群なのでスクエアにとっては不利な市場であるはずです。

しかし、ビジネスモデルとしてはスクエアに優位性を感じています。

何故かと言うと、スクエアは決済から店舗運営までを総括管理するサービスを提供しているからです。

楽天ペイとの違いは決済だけではなく売上管理、従業員管理、店舗管理、請求書代行など、小規模事業者が少人数で高パフォーマンスな経営が行えるようにしているのです。

カードリーダーによる決済サービスというのは過去Paypalが撤退していますし、ウェブ決済でもWebPayがサービス終了するなどシンプルな様で非常に難度の高い事業だという事を窺い知ることが出来ます。

そこでスクエアは決済というサービスを広く捉えて、顧客育てようとしています。

また、ツール郡の提供に加えて融資事業の「スクエアキャピタル」の存在も大きいです。

これはスクエアを導入済みの事業者に対して融資を行うサービスですが、キャッシュフローを把握している事業者に対して幾ら貸し付けるかを判定し、スクエアでの決済売上から回収するという事なので非常に回収率が高く、顧客にとっても返済ストレスが軽減されるような融資となりそうです。規模は3億ドルにまで達しているようです。

これまでに挙げた事から分かるのは、スクエアという会社は単に決済のサービスを提供するのではなく、導入した顧客の事業規模そのものを拡大させてスクエアも一緒に成長する事を狙っているのだろうという事です。

恐らくは楽天というのは営業力がとても強い会社なので売上目標に対するKPIは導入店舗数だと思いますが、この辺の考え方はどちらが正しいという物では無いので、全国的に導入が進む事によってキャッシュレス文化が推進される事に期待しています。

黒字化も近そうなスクエア株は、これから更に人気が出てきそうですね。

そして、その土台となる決済技術セクターはスクエアが成長する事によって恩恵を受ける立場であり、あわせて投資価値が向上していくのではないでしょうか。

クラウドバンクによる年間収支の報告

資産運用を模索するあたってポートフォリオソーシャルレンディングを組み込んでいます。

12月7日にクラウドバンクからの償還と分配が行われましたが、予定では年内最後の配当になりますので収支をまとめました。  

投資先

ソーシャルレンディングは会社によって投資先に特色がありますが、クラウドバンクは「太陽光」、「風力」、「バイオマス」といった自然エネルギー発電と企業の運転資金の2軸である印象です。 私の投資した合計15ファンドの内訳はエネルギーと運転資金で大体半分ずつです。 f:id:koguret:20171208215221p:plain

実績値通りの成績でした

2017年の3月に口座を開設してから最大で60万円ほど運用していました。

現在運用中のファンドが8つ残っている状況ですが、受け取り済みの配当額は15,202円です。

キャンペーンによるキャッシュバックとアマゾンギフト券1000円分も別途発生しています。

貸し倒れ金や遅延は今のところ無しです。

公式情報では2016年の実績値が平均年利6.78%と書かれていますが、実際に募集がかかるファンドの利回りは概ね6%前半から7%前半である為、信憑性の高い数値であるといえます。

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リスクはどのくらい?

ソーシャルレンディングというのは言ってみれば何らかの事情により銀行から借りない(もしくは借りれない)お金を個人投資家から調達するシステムです。

となれば貸し倒れのリスクは当然ありますが、私が投資した案件では今のところ問題なく終了していますのでそういった事案は殆ど無いのかもしれません。

仮に貸し倒れが頻発した場合、サービス自体に人が集まらなくなりますので運営会社としても厳しい審査を行っていると思います。

しかし、リスク表記がある以上は備えておく必要がありますので、仮に貸し倒れが発生して全く返ってこなかった場合の損益分岐点を計算しておく必要はあります。

1万円で年利7%のファンドの場合

税引き後の利益は年間560円程になります。 同条件の他のファンドから出た配当でカバーする場合、貸し倒れするファンドの数が投資先の5.5%未満なら利益が出る計算となります。

年利6%の場合

こちらの場合は貸し倒れするファンドが投資先の4.7%未満なら利益が出ます。

これをどう見るかが一つの判断基準になるのではないでしょうか。  

 株式投資との比較

昨年の12月から1年間S&P500に投資をした場合は16%のリターンでした。日経平均であれば20%にもなるハイリターンでした。

クラウドバンクでのリターンは約7%といった所なので、今年に関してはインデックス投資に負けてしまっています。

しかしクラウドバンクのメリットとしては、予め決められた償還期間があるので運用期間や売却のタイミングについて考えなくて良いというシンプルさと、最低投資額が1万円かつ、貸付手数料が掛からない為、分散すればする程リスクを軽減出来るという点です。

今のところ同時に10以上のファンドが募集される事は無かったと思いますが、割りと頻繁に募集がかかりますのでその都度少額を投資することで比較的安定した利益は出しやすいのではと思います。

投資先のファンドの種類は幾つかあり、エネルギーや企業の運転資金などから選択することができますが、こちらから投資先の詳細を確認することは出来ません。

したがって実質的には「クラウドバンクの貸付事業に投資している」という状態になる為、見るポイントとしてはファンドの種類は参考程度としておいて、「利率」、「期間」、「担保の有無」のみを重視しておけば良いのではと考えています。

利息が高ければ高リスク、期間が短ければ短いほど低リスクという明確な判断基準があり、株式の運用に比べると敷居は低いです。

留意点

一つ気をつけておきたい事は、運用に入った場合は償還まで現金化する事が出来ないという点です。

株式等の場合は必要に応じて現金化可能ですが、貸し付けの場合はこちらの都合でどうにかできません。

その為、現金が必要になった場合に貸し付けを解除するという選択肢が無い事を覚えておく必要があります。

逆に考えると、株式市場での運用だとチャートが気になって仕方がないとか、些細な相場変動で焦って売却してしまい後から後悔するような方にはこのようなシンプルさと強制力がかえってメリットに繋がる事もあると思います。

現状では銀行に預けても利息は付きませんので、興味があるという方はまず直近眠らせてしまっているような余剰資金の活かし先として検討してみると良いと思います。